塾に通っているのに成績が上がらない5つの原因と、家庭でできること

「うちの子、塾に通っているのに成績が上がらない」「塾が合っていないのかもしれない」——9月に入ってから、こうしたご相談を毎日のようにいただきます。転塾のお問い合わせは、1日に10件を超える日もあります。

お気持ちはよく分かります。ただ、はっきり申し上げると、塾を変えても、塾を増やしても、成績はほとんど変わりません。原因が塾ではなく、別のところにあるからです。

この記事では、成績が上がらない5つの原因を、名古屋市瑞穂区・昭和区で学習塾を運営している塾長の立場から解説します。塾を変える前に、まずこの5つを確認してみてください。

愛知県の高校受験に強い学習塾|井ノ塾(名古屋市 昭和区・瑞穂区)

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結論:成績が上がらない原因は「塾」ではない

最初に結論からお伝えします。成績が上がらない原因は、次の5つに集約されます。

原因 1勉強不足
原因 2スケジュール
管理不足
原因 3確認不足
原因 4知識不足
知識漏れ
原因 5雑さ

これらはすべて、家庭やお子さん本人の側にある問題です。だからこそ、塾を変えても解決しないのです。

教育に「足し算」をしても成績は上がらない

成績が伸び悩んだとき、多くのご家庭がやってしまうのが「足し算」です。教材を増やす、演習量を増やす、勉強時間を増やす、塾を増やす。何かを足せば良くなるはずだ、という発想ですね。

もちろん、増やして成功する方もいます。ただ、私の肌感覚では、失敗する割合のほうが圧倒的に高いと感じています。

そもそも、併塾を例にすると、塾1本で完結できない状態というのは、その時点でうまくいっていないということです。うまくいっていない子に対して量を足せば、当然きつくなります。種を植えていないのに水だけ与えても、芽は出ません。

小学生・中学生であれば、教材は一つ、塾も一つで十分です。2つ通わないといけない状態になっているなら、そもそも今の形が合っていないというサインです。

大学受験になれば話は別です。「この先生の説明が分かりやすい」「この塾の教材がいい」という理由で教科別に併用するのは、それを処理できるお子さんであれば選択肢になります。ただし、全教科となると現実的ではありません。

原因1:勉強不足

「うちの子はやっていますよ」「私は勉強しました」——勉強不足という言葉を出すと、必ずこう返ってきます。

ここに、保護者の方と生徒さんの大きな誤解があります。塾に行っている時間は、勉強時間ではありません。

インプット

塾に行って授業を受ける
学校の授業を聞く

+
アウトプット

自分で演習する
答え合わせをする
間違えた問題をできるようにする

成績を決めるのは、右側のアウトプットです。そして、この時間が圧倒的に足りていません。

「やった」は勉強ではない

定期テストに出るのは、教科書とワーク、あとはプリントです。「じゃあ、やったの?」と聞くと「やりました」「ワークも1回やりました」と返ってきます。

でも、文字を書けば誰でも「やった」なんです。勉強とは、できないものをできるようにすることです。演習をしたという意味ではなく、テストで点が取れる状態まで定着させたかどうかを聞いています。

とりあえず解けばいい、とりあえず書けばいい。解答解説を読んでも分からなければ放置する。この習慣がある限り、量をこなしても成績は上がりません。

授業を増やすほど、演習時間は減る

これは特に中学受験をお考えの保護者の方にお伝えしたいことです。

塾の授業数を増やせば増やすほど、演習時間は減ります。演習時間が減れば授業についていけなくなり、知識が漏れ、成績が上がらないという悪循環に入ります。

さらに、量を増やせば復習量も勉強時間も増えますが、反比例して定着率は下がります。量が増えれば物事は雑になる。当たり前のことです。

これは中学受験だけの話ではありません。高校1〜2年生でも同じことが起こります。1年生の最初は点数が取れていたのに、冬あたりから下がり始める。典型的な勉強不足のパターンです。

原因2:スケジュール管理不足

テスト前だけ勉強して、「私は勉強しているのに成績が上がらない」と本気で言うお子さんがいます。テスト前だけの勉強では、成績は上がりません。定着率が低いからです。

テスト前に問題が解けるようになった気がする。でもそれは定着していません。「演習した記憶がある」という状態でテストに入ると、本番で「これ解いた記憶はあるけどできない」となります。

100%解けるようにしないと、点数にはなりません。99%では0点です。聖徳太子の「太」を「犬」と書いてもバツ、「大」と書いてもバツ。三角ではなく、バツなんです。

10問中7問をケアレスミスしても何とも思わないお子さんがいます。解くこと自体が満足になっているので、答え合わせをしません。これは本人が悪いというより、そういう感覚のまま来てしまっているということです。

スケジュール管理は、実はとても難しい

正直に言うと、スケジュール管理はいちばん難しい部分です。

スケジュール管理でつまずくポイント

  • いつ復習すればいいのか分からない
  • いつからテスト週間として対策を始めればいいのか分からない
  • 学校の進度がどこまで進んだかを把握できていない
  • 今日習った範囲のうち、どのページなら家で解けるのか判断できない

学校は「今日は何ページ進んだので、この範囲は家でできますよ」とは言ってくれません。自分で判断しなければならないのですが、中学生にそれを求めるのは酷です。保護者の方が把握するのも、現実には難しいと思います。

結果として、テスト直前にあたふたしながら問題を解き始め、定着のための復習スケジュールが組めないまま本番を迎える。成績が上がらないご家庭では、これが本当に多いです。

原因3:確認不足

個人的に、今回いちばんお伝えしたいのがこれです。

夏期講習にも通って、宿題もたくさんやって、本当によく頑張った。それなのに伸びない。そういうお子さんがいます。原因は確認不足です。

教育というのは「教えれば育つ」と思われがちです。言えばやってくれる、言えば定着する、と。だから一度言ったことを二度と確認しない。「それ言ったでしょ」で終わってしまう。

仕事に置き換えると分かりやすい

お仕事をされている方なら、部下に仕事を任せたときのことを考えてみてください。

その人がいつ、どうやって動いているかまでは管理しませんよね。確認するのは「その仕事ができているかどうか」です。ところが、このチェックが日本の教育にはほとんどありません。

場面できているかの確認できるようにする仕組み
学校定期テストで指摘されるのみ追試・補習がない学校も多い
塾授業内で指摘されることはある「家でやってきて」で終わる
本人「分かった」で終わりがち放置

定期テストは「あなたはここが漏れていますよ」と教えてくれるだけです。点数が悪くても、その後に追試も補習もない学校は珍しくありません。しかも、子どもがその指摘に気づかなければ、できないまま放置されます。

そして、たとえ塾の先生が指摘してくれたとしても、それをできるようにするのは家です。人にやってもらえるのは100のうちの何割かでしかありません。最終的には自分で確認できなければいけないのです。

「怪しいかも」というアンテナがあるか

確認不足には、もう一段深い問題があります。どこが漏れているのか自分で把握できない、というケースです。

「この問題はちょっと解けないかもしれない」「この辺は苦手だから演習しておこう」。この感覚がない子は、そもそも確認という行為ができません。怪しいと思わないからです。

運転に例えると分かりやすいと思います。「ここは子どもが飛び出してきそうだな」「この角から車が出てきそうだな」という予測ができない人は、一旦停止をせずそのまま突っ込みます。危機管理ができていない状態です。

勉強でも同じです。「理解した」「覚えた」「分かった」で止まってしまう。「ちょっと怪しいかも」と思える子が正常で、「まあ大丈夫でしょう」で終わる子はリスクのアンテナが働いていません。こういうお子さんは、量をこなしても成績が上がりません。

確認は、子どもにとって苦しい作業

井ノ塾では、この確認を必ず行います。「漢字を覚えた」と言う子に、実際にチェックをします。すると10問中7問間違える、ということが普通に起こります。

正直に言えば、これは子どもにとって苦しい作業です。今までは「覚えたよ」で終わっていたものが、覚えて、チェックして、点数を取るところまでやらなければいけなくなる。しんどいから、嫌がります。

それでも、点数を変えたいなら自分を変えるしかありません。今までできていなかった部分、やりたくなかった部分をちゃんとやる。それが習慣になって初めて、成績は動き始めます。

原因4:知識不足・知識漏れ

勉強には連鎖があります。この問題ができるから、次の問題もできる、という積み上げです。ところが、連鎖のいちばん最初の部分が抜けたまま次へ次へと進むと、どんどんできなくなります。

いくら勉強しても成績が上がらない、という状態です。これは高校生に非常に多く見られます。

中学生でも起こります。多いのは英語です。be動詞と一般動詞が分かっていない、代名詞も分かっていない。それでも授業は進んでいくので、「まあいいや」でついていってしまう。

最近いちばん驚いたこと

定期テストで平均点が取れているお子さんが、be動詞と一般動詞の区別がつかず、代名詞も疑問詞も疑問文も分からない状態でした。

なぜ平均点が取れているのかというと、学校のワークと似た問題がテストに出るので、「これが出ているからこれだったかな」となんとなく選んでいるだけなんです。こういう状態のほうが、点数が低いお子さんよりむしろ危険です。

厄介なのは、知識漏れは自分ひとりではどうにもならないことが多い点です。学校の進度は止まってくれませんし、本人が「この漏れを埋めたい」と思わない限り、表面的な理解で済ませてしまいます。そうなると、ずっと分からないままになります。

原因5:雑さ

机がきれいか汚いか、という話ではありません。勉強の進め方の雑さです。

「雑さ」が表れるところ

  • ケアレスミスが非常に多い
  • 数学で式を書かない、図を書かない
  • 定着していない状態のままテストに入る
  • 速さばかり重視して、正答率を上げようとしない
  • 学校のワークを繰り返して定着率を上げる発想がない

子どもたちも「テストの点数を上げたい」とは思っています。でもそれは、宝くじが当たってほしいと思うのと同じ程度の願望であることが多いんです。当たってほしいとは思うけれど、買いに行くわけではない。だから当たらない。

数学が30点だった生徒が、学年1位になるまで

井ノ塾での実例

弥富通校の創立1年目のことです。昭和高校に通う生徒で、数学で30点以上を取ったことがないという子がいました。

そろばんをやっていたので計算は速いのですが、正答率が非常に低かった。そこで伝えたことは2つだけです。「復習をすること」、そして「暗算をせず、どんな計算でも必ず筆算を書くこと」。

結果が出るまでに1年半かかりましたが、最終的に学年1位を取りました。雑さを一つずつ潰していけば、点数は変わります。ただ、それには時間がかかるということも、正直にお伝えしておきます。

転塾しても、多くの場合は変わらない

ここまで読んでいただくと、なぜ塾に通っているだけや転塾が解決にならないかがお分かりいただけると思います。

塾を変えれば、心機一転で一時的に勉強するかもしれません。でも、たいていは元に戻ります。原因が塾ではなく、勉強不足・スケジュール管理・確認・知識漏れ・雑さの側にあるからです。

「転塾して成績が上がりました」という話も、もちろん耳にします。ただ、それは10人のうち何人でしょうか。100人のうち何人でしょうか。

転塾してすぐ成績が上がる子は、もともと能力があるか、意識があるか、習慣があるかのどれかを持っています。特に能力がある子は伸びやすい。今までやっていなかった子が急にやり始めれば、それは伸びます。それを塾の実績として出しているだけ、という面もあります。

塾に頼りすぎない

「家で勉強しないから塾に行かせます」という保護者の方は多いのですが、塾はインプットの場です。塾だけで成績が上がることはありません。

まったく勉強していない子を塾で勉強させようと思ったら、個別指導の週4〜5回くらいの感覚でないと難しい。でも現実にはそこまではやらないでしょう。だからこそ、家庭での学習が必要になります。

もう一つ、塾に入れることには見落とされがちなデメリットがあります。保護者の方から、お子さんの状態が見えなくなることです。

たとえば中学2年生なのにbe動詞と一般動詞が分かっていない。それを塾に任せたとします。塾では学校の進度についていく必要があるので、その部分を丁寧にやらないまま進む可能性があります。ところが親からは中身が見えないので、分からないまま進んでいることに気づけません。

何かを漏らす子は、また何かを漏らします。勉強の能力と方法が変わっていないからです。根本的な原因を潰さない限り、同じことが繰り返されます。

塾を変える前に、家庭でできること

家庭での学習内容を具体的に把握する 「何時間やったか」ではなく「1時間で数学を何ページ進めたか」を見ます。3ページ進んだのか、1ページしかできなかったのか。それが分かれば、知識量の問題なのか、能力の問題なのか、内容が難しかったのかが見えてきます。
教科を絞る 量を増やせば定着率は下がります。英語だけ、数学だけと絞って取り組むほうが、結果的に成果は出ます。
「言う」のではなく「一緒にやる」 「勉強しなさい」と言うだけでは変わりません。土日に一緒に勉強する時間を取る、教えられなくても同じ空間にいる、環境をつくる。共有することのほうが効果があります。
一度で終わらせず、繰り返す 「確認しなさい」と一度言ってできるようになるお子さんはいません。翌日には忘れています。丁寧に教えて、それを何度も繰り返して、初めてできるようになるものです。

そのうえで、家庭では手が届かない部分を塾で補ってもらう。この順番であれば、塾は機能します。

できれば、小学生のうちに土台をつくる

勉強方法、勉強に対する意識、スケジュール管理。こうしたものを中学生・高校生になってから身につけようとすると、かなりきついです。だからこそ、早い段階から取り組んでおくほうが楽になります。

井ノ塾に早い段階から通っていただいたご家庭で、上にお子さんがいらっしゃる場合、よく言われるのが「下の子のほうが楽だった」という言葉です。

理由は、準備ができているからです。知識的な準備ではありません。能力、方法、意識といった土台の部分です。

反抗期になれば、言うことを聞かなくなるのは当然です。それを全部コントロールするのは無理です。でも、ある程度の土台さえできていれば、あとは本人に任せてもちゃんとやってくれます。自分で確認したり、良い方向に進んだりしてくれるようになります。

まとめ

原因見るべきポイント
勉強不足塾の時間ではなく、自分で演習し答え合わせをした時間が足りているか
スケジュール管理不足テスト前だけになっていないか。復習の計画が立てられているか
確認不足「覚えた」で終わらず、実際にできるかチェックしているか
知識不足・知識漏れ連鎖の最初の部分が抜けたまま進んでいないか
雑さケアレスミス、式や図を書かない、正答率を軽視していないか

成績が上がらないとき、いちばん簡単なのは塾のせいにすることです。でも、原因の大半はこの5つの中にあります。

まず、自分が良くない状態にいると理解すること。そこからしか始まりません。落ち込む必要はありません。改善するかしないかは自分次第ですし、部活動などの事情でできることとできないことがあるのも当然です。ただ、「このままでいいや」という惰性がいちばん良くない。

塾を変えるかどうかを考える前に、この5つのうちどれが当てはまるかを確認してみてください。それが分かれば、次にやるべきことも見えてきます。

井ノ塾では、この「確認」を指導の中心に置いています。お子さんの現状についてご相談がありましたら、お問い合わせはこちらからお願いいたします。

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🖊この記事を書いた人

井ノ塾 塾長:いの

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🖊この記事を書いた人

愛知県名古屋市を拠点に、小学生・中学生・高校生を対象とした少人数制の自立型学習塾「井ノ塾」を運営。
指導歴20年以上・年間指導生徒数100名以上。
保護者からの信頼も厚く、口コミ紹介による入塾が多数で、入塾待ちが出る人気塾です。
特に愛知県の公立高校入試に特化した個別指導と進路指導に定評があり、
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