2026年9月9日、愛知工業大学名電高等学校(愛工大名電)の塾対象学校説明会に参加してきました。この記事では、2027年度(令和9年度)入試の変更点・合格ラインの変化・コース選択の注意点など、説明会で直接うかがった内容を、井ノ塾の塾長がまとめてお伝えします。
特に愛工大名電中学校の入試日程が3日間から2日連続に変更されるという大きな発表がありました。中学受験を検討中のご家庭は必ずご確認ください。
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来る時間を間違えました…
今日に限って、会場と時間が書いてある案内を塾に忘れてきてしまいました。いつもの場所・いつもの時間で行ってみたところ……

誰もいません。到着2番目でした。それでも30分後には多くの塾の先生が集まり、会場はほぼ満席に。名電の注目度の高さがうかがえます。

【速報】愛工大名電中学校 2027年度入試が大きく変更
今回の説明会でいちばんのニュースが、中学入試の変更点です。愛工大名電中学校はここ数年で人気・学力ともに上昇しており、それに合わせた形の変更といえます。
入試日程が3日間から2日連続に ※今年から追加内容
| 項目 | 2027年度(令和9年度)入試 |
|---|---|
| 第1回入試 | 2027年1月23日(土) |
| 第2回入試 | 2027年1月24日(日) |
| ダブル受験 | 可能 |
これまで3日間だった日程が、土日の2日連続に変わりました。また、奨学生入試などの名称も変更されています。奨学生合格の場合は入学金と1年間の授業料と同額が奨学金として支給され、対象は15名以下とのことです。
名電を目指すなら「ダブル受験」一択です
受験パターンは「第1回のみ」「第2回のみ」「第1回・第2回の両方」の3パターン。両方受験した場合、各教科で高い方の点数がその教科の得点として採用されます。
学校側からも「両方受験してよかった生徒が結構いるので、名電に行きたい子は必ずダブル受験を」との説明がありました。教科ごとのベストスコアが拾われる仕組みなので、1日目に失敗しても取り返せます。迷う理由はほぼありません。
試験内容と時間配分の落とし穴
| 教科 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 国語 | 50分 | 100点 |
| 算数 | 50分 | 100点 |
| 理科・社会 | 合計60分 | 各50点 |
試験内容は2日とも同じ形式です。注意したいのが理科と社会で、2教科が同時に配布され、合計60分で解く形式だという点。得意な方に時間を使いすぎると、もう一方が手つかずになります。過去問演習の段階から「理社セットで60分」を体に入れておく必要があります。
特別評価制度(スポーツ・文化活動実績) ※今年から追加内容
こちらも今年の入試から加えられる特別評価制度です。卓球・フェンシング・ロボット・英検準2級などの実績は、自己申告すれば評価対象になります。点数加算というより総合判断ですが、英検だけはプラス10点・プラス20点という形で扱われるとのことでした。持っている資格・実績は必ず申告してください。
※詳細は必ず募集要項でご確認ください。
出願にあたっての注意 ※変更点あり
- 小学校からの書類は不要
- インフルエンザなどの場合は別室受験が可能
- 別日程での受験は今年はできません
志願者数は5年で1.6倍|倍率の推移を見る
人気の高まりは数字にはっきり出ています。以下は学校公式サイトで公表されている募集状況の推移です。
| 年度 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 募集定員 | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 |
| 志願者数 | 1,051 | 1,049 | 1,230 | 1,441 | 1,718 |
| 受験者数 | 1,032 | 1,023 | 1,201 | 1,363 | 1,636 |
| 合格者数 | 471 | 474 | 681 | 761 | 810 |
| 倍率 | 10.0 | 9.9 | 11.7 | 13.7 | 16.4 |
| 実質倍率 | 2.19 | 2.16 | 1.76 | 1.79 | 2.02 |
出典:愛知工業大学名電中学校・高等学校「過去の入試データ」(倍率=志願者数÷募集定員、実質倍率=受験者数÷合格者数)
定員105名は5年間変わらないのに、志願者は1,051名から1,718名へ。倍率16.4倍という数字だけを見ると気後れしますが、これは定員に対する見かけの倍率です。
実際に見るべきは実質倍率2.02倍のほう。受験した子のおよそ2人に1人が合格している計算です。複数回受験の制度があるため合格者数が定員を大きく上回りますが、それを差し引いても「16倍の狭き門」ではありません。数字の見え方で最初から諦めてしまうのが一番もったいないパターンです。
なお、合格者の平均点や合格者最低点は公表されていません。ただ説明会での説明を踏まえると、満点を狙う試験ではなく、基本問題を確実に取り切れるかが問われる試験だと考えてよさそうです。過去問は公式サイトで国語・算数・社会理科の問題用紙と解答例が公開されているので、まずは一度解いて手応えを測ってみてください。
教科別の傾向と対策 ※変更点や注意点あり
- 国語:例年通り。設問の条件に合致した書き方をすること、図や表を正確に読み取ることがポイント。
- 算数:大問5題。大問1〜3は基本問題ですが、基本問題だから配点が低いわけではないとのこと。ここを確実に取り切ることが合否を分けます。
- 社会:大問3題(地理・歴史・公民)。配点は均等ではなく地理・歴史の比重が高め。時事問題は海外の話題も含み、2026年秋までの内容が出題範囲。漢字指定をひらがなで書くと不正解になります。
- 理科:例年通りの出題。
愛工大名電高校の入試|押さえるべきポイント
ここからは高校入試の話です。偏差値・学費・コース一覧などの基本データは、愛工大名電高校の偏差値・内申点・学費まとめページにありますので、この記事では説明会でしか聞けなかった内容に絞ります。
私立高校が全体的に人気になってきている
私立高校が全体的に人気になっているため、入試で合格することが少しずつ難しくなってきています。
推薦枠の割合
推薦枠のパーセンテージは、パンフレットや募集要項では見つけられなかったのですが、説明会の会場で説明をして頂き、確認することができました。こういった情報でSNSやブログで出せない情報は、塾向け学校説明会に参加をしている先生しか知りません。そのため、塾向け学校説明会に頻繁に行かれている塾は受験対策を信じても良い塾だと私は思っています。
参考までに一般的な話をしておくと、私立高校の推薦枠は上位コースで30%〜50%、中堅・下位コースや専門学科で50%〜80%に設定されていることが多いです(名電の枠ではなく、あくまで全体の傾向です)。
この目安に照らすと、専門学科志望なら、推薦を取りにいく戦略の価値が高いということです。逆に言えば、一般入試で専門学科を狙う場合は推薦枠の残り枠を争うことになります。
入試方式別の試験内容
| 方式 | 試験内容 |
|---|---|
| 推薦入試 | 国語・数学・英語 各100点40分(リスニングあり)+ 個人面接5分 |
| 一般入試 | 国語・数学・英語 各100点40分(リスニングなし)+ 理科・社会 各75点・合計60分 |
| 特色入試 | トップエンジニア |
推薦と一般で英語のリスニングの有無が違うのは要注意です。推薦を受ける生徒は、リスニング対策を必ず入れておいてください。
また一般入試にはA方式選考があります。合格した場合は必ず入学する必要がある方式で、転科・転コース合格の場合も同様に入学義務が生じます。公立高校が第一志望のご家庭は、ここを理解しないまま出願しないようご注意ください。
合否判定の仕組み
一般入試は内申点と学力試験の総合判定。さらに科学技術科・情報科学科は数学と理科を1.5倍して判定します。理数が得意な子には有利、逆に理数が苦手なまま専門学科を受けるのはリスクが高い、ということです。
合格ラインの変化 ※これが一番の収穫
説明会でいちばん聞きたかったのが、当日の試験で何割取れば届くのかという話です。具体的な数字はここには書けませんが、はっきりお伝えできることがあります。
6割では受からなくなってきた、ということです。それくらい志願者が増え、人気が上がっています。「昔は6割取れれば名電は大丈夫」という感覚のまま受験を迎えると、確実に足りません。
もっとも、一般入試は内申点との総合判定です。内申がしっかりあるお子さんなら、当日6割ほどでも合格するケースはあります。ただ、それは「たまたま届いた」に近い勝ち方です。安心して受験日を迎えるなら、6割ではまだ心もとない。もう一段の上積みがほしいところです。
特に注意していただきたいのが情報科学科。人気の高まりで、いまや上位コースと並ぶ水準まで難度が上がっています。「専門学科だから入りやすい」という感覚で選ぶと痛い目を見ます。
過去問を解いて6割前後で止まっているなら、それは「あと一歩」ではなく「まだ足りない」と受け止めて対策を組んでください。
転科・転コース制度
不合格でも、別の学科・コースでの合格(転科・転コース合格)がある場合があります。出願した学科・コースごとに、どこにスライドする可能性があるかを図にまとめました。
※2026年9月9日の塾対象説明会での説明にもとづきます。最新の内容は必ず募集要項でご確認ください。
特進・選抜コースで出願して届かなかった場合は、自動的に普通コースでの判定に回ります。また情報科学科から科学技術科へのスライドがある点は、出願戦略上おさえておきたいところです。逆に科学技術科で出願した場合は転科先がないため、そこが最終ラインになります。
一般入試の会場
本校会場に加えて愛工大八草会場が用意されています。居住地に応じた会場設定です。名古屋市内から受験する場合は本校会場が基本になります。
学校が示した公立高校の併願先
学校側から、実際に多い公立高校との併願パターンが示されました。
- 特進・選抜コース:瑞陵・桜台・向陽・明和・菊里・千種
- 普通コース:松蔭・千種・桜台・名東・旭野
- 科学技術科・情報科学科:豊田高専・天白・春日井・名東・松蔭・名古屋西・熱田・旭野・昭和
井ノ塾の合格判定サイトのデータと照らし合わせても、ほぼ同じ傾向です。自分の内申・当日点で現実的な併願パターンを知りたい方は、合格判定サイト(無料)で確認できます。
コース・学科の中身|説明会で聞いた実際の学校生活
特進コースと選抜コースの違い
| 項目 | 特進コース | 選抜コース |
|---|---|---|
| 週の単位数 | 34単位 | 32単位(名電の標準) |
| 7限授業 | 月・火・水・金 | 月・水 |
| 進学補習 | 全員参加(平日9限・長期休暇など) | 選択制(授業後・長期休暇など) |
| Meiden Quest+ | あり(専門家の講演・校外学習) | あり(専門家の講演・校外学習) |
入学時は特進・選抜としてまとめて募集し、2年生から特進と選抜に分かれます。普通コースとの入れ替えもあります。1年次は普通・特進・選抜のカリキュラムが共通なので、入学後の頑張り次第で上を目指せる設計です。
そのほか、毎日10分の朝テスト、1年特進・選抜と2年特進を対象とした学習合宿、模擬試験の多さ、3年生12月からの共通テスト対策など、学習面のサポートは手厚い印象でした。
普通コースの特徴
授業後の進学補習は科目選択制。小論文講座を設けて推薦対策をしているのが特徴です。総合型選抜・学校推薦型選抜で大学進学を考えるなら、この体制は相性がいいと思います。
科学技術科・情報科学科(専門学科)
1年生はミックスクラスで、2年生から学科ごとに分かれます。学力などの条件次第では学科変更ができる可能性もあるとのことでした。
愛知工業大学との高大7カ年STEAM教育が柱で、学年ごとに次のように進みます。
- 1年生:先端科学技術入門
- 2年生:Meiden Labo in AIT
- 3年生:課題研究(大学の教授からアドバイスがもらえる)
ここは中学生・保護者の方に必ず知っておいてほしい点なのですが、専門学科は大学受験のためのカリキュラムではありません。愛工大につながるSTEAM科目が55単位も組まれており、他大学の一般入試を目指す設計にはなっていない、ということです。「理系が得意だから専門学科」ではなく、「愛知工業大学に進んで専門を続けたいから専門学科」という選び方が正解です。
大学進学実績と推薦制度
公募推薦や総合型選抜を活用しながら国公立大学の合格を出しているとのこと。小論文対策を早くから行っている分、このルートには強さがありそうです。特進コースは約半数が国公立大学に進学しています(詳細は学校公式サイトの進路実績をご確認ください)。
注意点として、特進コースは指定校推薦を利用できません。一般選抜・総合型で勝負するコースだという位置づけです。ここを知らずにコースを選ぶと、3年生になって進路の選択肢が想定と違った、ということになりかねません。
一方で愛工大特別進学制度があり、併願・専願などの条件はあるものの、系列大学が上にある学校ならではの安心感があります。
名電の強み|探究学習・高大連携・部活動
探究授業「Meiden Quest(名電クエスト)」
名電の探究学習の柱。特進・選抜コースでは発展版のMeiden Quest+(メイデンクエストプラス)として、専門家の講演や校外学習が組まれます。
高大連携
説明会で印象的だったのが、「理系のためだけではなく、課題解決の考え方を文系にも伝えていきたい。理系としてだけで見てもらいたくない」という学校側の言葉でした。工業大学の附属というイメージが先行しがちですが、学校としてはそこを広げたい意図があるようです。
部活動
バレーボール部、フェンシング部、卓球部が全国大会に出場。硬式野球部は甲子園常連です。本気で部活に取り組みたい生徒にとって、環境は間違いなく全国レベルです。
塾長のまとめ|名電を受けるなら押さえたい3つ
- 中学受験は必ずダブル受験。教科ごとに高い方の点が採用される以上、受けない理由がありません。理社は「合計60分」の時間配分練習を必ず。
- 高校入試は当日勝負。しかも6割では届かなくなっています。内申との総合判定なので6割ほどで合格する例もありますが、そこに賭けるのは危険です。
- 専門学科は「愛工大に進みたいか」で決める。他大学の一般入試を目指すなら普通科です。ここの選択ミスが一番もったいない。
井ノ塾では、内申33から普通コースに合格した生徒もいます。内申が足りなくても、当日点で届かせる戦略はあります。逆に言えば、過去問演習と弱点補強をどれだけ早く始められるかがすべてです。
この記事の情報は2026年9月9日の塾対象説明会でうかがった内容をもとにしています。日程・制度は変更される場合がありますので、最終的には必ず学校公式の募集要項をご確認ください。
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🖊この記事を書いた人
愛知県名古屋市を拠点に、小学生・中学生・高校生を対象とした少人数制の自立型学習塾「井ノ塾」を運営。
指導歴20年以上・年間指導生徒数100名以上。
保護者からの信頼も厚く、口コミ紹介による入塾が多数で、入塾待ちが出る人気塾です。
特に愛知県の公立高校入試に特化した個別指導と進路指導に定評があり、
定期テストから入試対策まで一貫した学習プランを提供しています。
- 転塾生の97%が平均70点以上を上げた
- 地元中学校5校で定期テスト対策を実施
- 11年間で110人以上の学年1位・クラス1位を輩出
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